動物園関係者及び野生生物関係者に言わせると、
「犀角は、アジアでは万能薬として人気がある。しかし、犀角の効能は、科学的に証明されていない。だから、犀角を薬にするのは誤りである。」
だそうな。
これ、私の交友関係の事情もあって、結構聞くんだよね。
「犀角は、アジアでは万能薬として人気がある。しかし、犀角の効能は、科学的に証明されていない。だから、犀角を薬にするのは誤りである。」
だそうな。
これ、私の交友関係の事情もあって、結構聞くんだよね。
こういった動物園関係者その他の主張は、いろいろ突っ込みどこがあるんだけど、普段は面倒なので黙ってる私。
これ、昔書いたような気がしないでも無いけれど、もう1回書いてみるね。
中医学では、犀角は、涼血の最重要生薬。
決して、万能薬ではない。
これを投与されて、かえってひどい状態になるだろう人も、容易に想像つくしね。
決して、万能薬ではない。
これを投与されて、かえってひどい状態になるだろう人も、容易に想像つくしね。
それから、中医学的に考えられている効能が、全部科学で証明されているわけじゃない。
解明への道の出発点にいる感じだと思うよ、今。
解明への道の出発点にいる感じだと思うよ、今。
多分だけど、中薬として使用される場合の犀角の作用機序を、科学的に解明しようとした人が、いないんだと思う。(文献があれば教えてください)
科学的に効果があるかどうか実証したいなら、中医学的に血熱と診断される患者群に投与してみればいい。
科学をもとに発展してきている現代において、東洋医学を信じるかどうかは信条の問題もあるから、他人に強制できないけどさ。でも、実証実験しないで、犀角の効能を眉唾扱いするのは、それこそ「科学的ではない」。
でしょ?
科学的に効果があるかどうか実証したいなら、中医学的に血熱と診断される患者群に投与してみればいい。
科学をもとに発展してきている現代において、東洋医学を信じるかどうかは信条の問題もあるから、他人に強制できないけどさ。でも、実証実験しないで、犀角の効能を眉唾扱いするのは、それこそ「科学的ではない」。
でしょ?
で、問題になっているのは、犀角の原基であるクロサイやシロサイなどが、絶滅に瀕している動物であること。
絶滅危惧種の利用を抑えるために、動物園なんかでのインタープリテーション時に冒頭の言葉を言ってのは分かるんだけど、だからといって、根拠に乏しい主張をしていいかというと、それは違うよね。
絶滅危惧種の利用を抑えるために、動物園なんかでのインタープリテーション時に冒頭の言葉を言ってのは分かるんだけど、だからといって、根拠に乏しい主張をしていいかというと、それは違うよね。
で、もう1方、犀角を利用する側の問題も大きい。
まず、少なくとも国内では(他のアジア圏などのことは知らん)、犀角を利用するような病態を把握できる専門家が、非常に少ないこと。
なので、同時に、犀角の代用品が存在することを知っている人ももっと少ないだろうことが、問題。
まず、少なくとも国内では(他のアジア圏などのことは知らん)、犀角を利用するような病態を把握できる専門家が、非常に少ないこと。
なので、同時に、犀角の代用品が存在することを知っている人ももっと少ないだろうことが、問題。
「犀角などが必要な営血熱について診断・治療できる人があまりいない=患者が困ってる」状態なので、「万能薬!」と噂で聞けば、飛びつく人もいるだろな~なんて、思う。
本来、わざわざそんな希少で高価なものを使わなくたって、経済動物から採れる安価な水牛角なんかで代用できるのにさ。
ま、犀角と水牛角は、完全に一緒の効能というわけじゃないみたいだけど、それでも、ちゃんと弁証施治すれば、私の経験から言っても、どうにかなると思うよ。
なので、「サイの乱獲については中医学が悪い!」と言われても、それは違うでしょ、と思う。
ま、犀角と水牛角は、完全に一緒の効能というわけじゃないみたいだけど、それでも、ちゃんと弁証施治すれば、私の経験から言っても、どうにかなると思うよ。
なので、「サイの乱獲については中医学が悪い!」と言われても、それは違うでしょ、と思う。
犀角代用品について、言及された日本語の書物が乏しいってことも問題で。
ま、病態の認識に乏しいから余計にそういう書物を買う人も少なくて、出版の採算がとりにくいってのもあるだろな。
かろうじて、「中医臨床のための温病学」が出されたけど、これも、犀角と水牛角については書かれて無い。
「中医臨床のための中薬学」にはあるから、ちゃんと引いてみる人じゃないと、認識できないというかね。
ま、病態の認識に乏しいから余計にそういう書物を買う人も少なくて、出版の採算がとりにくいってのもあるだろな。
かろうじて、「中医臨床のための温病学」が出されたけど、これも、犀角と水牛角については書かれて無い。
「中医臨床のための中薬学」にはあるから、ちゃんと引いてみる人じゃないと、認識できないというかね。
ともかく。
犀角の乱用に伴うサイの乱獲の根本原因としては、犀角の代用品をきちんと使えない「専門家」、及び、「サイの角は万能薬」という根拠の無い噂に踊らされる利用者が悪い、って話。
犀角の乱用に伴うサイの乱獲の根本原因としては、犀角の代用品をきちんと使えない「専門家」、及び、「サイの角は万能薬」という根拠の無い噂に踊らされる利用者が悪い、って話。
このブログで、何度も何度も温病学について言及してきた理由のもっとも大きなものは、もちろん自分の健康上の理由。
でも、隠れたもうひとつの理由は、角目当ての乱獲によって絶滅の危機に瀕しているサイsp.の保護。
でも、隠れたもうひとつの理由は、角目当ての乱獲によって絶滅の危機に瀕しているサイsp.の保護。
温病学を、勉強して欲しい。
温病学の書籍も、現実的に利用できるものを、出して欲しい。
患者のためにも、絶滅の危機に瀕したサイのためにも。
温病学の書籍も、現実的に利用できるものを、出して欲しい。
患者のためにも、絶滅の危機に瀕したサイのためにも。
と、切に思う今日この頃でした。