危ない「漢方のお医者さん」との戦いの記録

「専門家」が誰も助けてくれなかったので、独学・自分の体で命をかけて漢方薬の人体実験した記録。書いてあるとおりかなり危ない状況だったので、安易にまねしないでね。

2015年05月

私は、ここで書いたように、昨年末の手術前後飲んでた方剤には知母を使っていなかった。
本来、どうしても必要なものにもかかわらず。

なんでかというと、知母を使うと動悸がして、眠れなくなってたから。

中医学的には動悸の原因としては、

1心気虚
2心陽虚
3心血虚
4心陰虚
5驚恐擾心
6心血瘀阻
7痰火擾心
8水気凌心    (「症状による中医診断と治療 上巻」より)

があるとされる。

私のそのときの証では、1~4及び7少々が見られてた。
だけど、知母を服用したときに現れたのは、8。
(ちなみに、補陰剤の中では、知母だけじゃなく天門冬でも起こった)

この8の水気凌心にはさらに2型あって、

1心陽虚に脾肺気虚が加わり、津液を散布できずに飲を生じたもの
2心陽虚に腎陽虚が加わり、下焦の寒水が上泛するもの

とある。

長年くっついていた腸管の癒着をはがした私の場合は、当然1。
(でも一皮か二皮くらいめくれば2もあるけどね。)
ちょっとしかない動力(気)でこれまたちょっとしかない津液をめぐらせて低空飛行してたから、たいしうて動悸がしなくてすんでた。
けど、知母で津液が少し増えたら、もうキャパオーバー。もう無理。
と言う状態だと思う。

これには本来、苓桂朮甘湯の加減が用いられるんだけど、ここで問題が。

いろいろ複雑な証を抱えてる私の当時の最大の問題は、肝陰虚及び血熱。
そんな状態のときに、もし桂枝や白朮が入った方剤なんぞ使ったら、それらは一発で悪化する。
冗談じゃなく死ぬわ!!!な状態になるのは必然。

なので、私は、当然知母を使えず。

ついでに、術前術後は、これまた当然だけど腸の状態もよくなくて、知母を使ったら腸管にかなり負担がかかってた。
それをあげるには気薬を使わなきゃだけど、血熱なもんで、こういう補益剤は、熱を悪化させるから、これまたどうしよう・・・・な状態。

本来、知母がとても必要だったのにね・・・。
実熱に加えて、虚熱も酷かったもんな・・・

しょうがないので、肝陰虚には本来不適な清熱剤を使いつつ清熱剤での傷陰をカバーする意味も含めて増量した補陰剤を使用して、本当にちょっとづつちょっとづつ、改善してきた。

で、亀の歩みだけど、術後徐々に腸の状態と肝陰虚・血熱などが改善してきた。
今もまだまだ肝陰虚はあるし、ちょっと気を抜くと悪化しちゃうから油断はできないけど、普段、頭の痛みとかふらつきなんかが感じられなくなってきた。

なので、これも以前書いたように、桂枝だけを、方剤に入れてみた。
そしたら!!
熱や腸、心の状態などを考えての量の調整が難しいけれど、でも。
少しづつ、知母が使えるようになった。

あと、知母が使えるのは、西洋人参の存在も大きい。
これで、気虚の改善ができて、ついでに弱った腸管の機能も上がるので、知母を使っておなかがゆるくなるのを、ある程度防ぐことができる。

ただ、この西洋人参が曲者で、婦人科系に悪影響を及ぼす可能性があるので、要注意。
残った卵巣に異常をきたすと非常に困る。
再再手術なんて、絶対したくないし。
近いうち、また婦人科で卵巣の状態を診てこよう。
それに西洋人参を使いすぎると肝熱が上がって、鼠径部が痛くなる。
だから、この西洋人参の量も、優先的懸案事項の一つだけどね。

こんな風に、一筋縄じゃいかないけれど。
今、知母を1日5gぐらい使えている。

これが今のマックス。
本来もうちょっと必要だと思うけど、今のところ、心臓と腸などのご機嫌伺いにより、この程度。
でも。
そのおかげで、普通に生活して、普通に予定を立てられる。
以前のように、何日か後の体調は分からないし、どうしよう・・・なんて心配は、今、ほとんどない。
なんて楽なんだ!!!

来月末、また薬草観察会の講師の依頼があったんだけど、心置きなくOKした。
あ~

ま、今の状態をより改善・すくなくとも維持できるよう、これからも頑張らねば!!


北国にもようやく春が来て、いろいろな野の花が咲き始めた。
なので、外に出て、張り切って植物の写真撮ったり標本採ったりしている現在の私。


そんなこんなやって先日、ついツタウルシに触ってしまった。
ツタウルシはウルシ科の蔓状の植物で、木のウルシ同様、触るとかぶれる。
私が住む辺では、平地にも普通に見られる。

そのときは、標的のミヤマスミレに気をとられていて周囲をよく見ていなかったのと、ツタウルシもまだ葉が開いていなくて、ツタに少し赤いものがついてるな~状態だったので、つい見すごした。
写真を撮り終えてふと気づくと、あら、これ、ツタウルシよねぇ~。まぁ大変。な状態に。
それが、4月29日のこと。

私は以前から、漆かぶれがひどかった。
かぶれない人はぜんぜんかぶれないし、軽い人は、触った翌日~数日ぐらいに皮膚が赤くなって、せいぜい2週間程度でよくなる。
でも私の場合、触ってから症状が出るまでに1週間ぐらいかかるし、重症の水泡になるし、全身と言っていいほどあっちこっちに水泡ができて、寝込んだりするし、完全に治るまで1ヶ月ぐらいかかった。
痒いったらない。(それでも懲りずに森の中に入るあほな私)


漆かぶれは、「うつる」と言われることがあるけれど、発症してしまった皮膚の状態が他人に伝染することはない。
漆成分のついた手であちこちさわると、その部分が漆かぶれになったりはするし、体液の流れに乗って、あちこちにできたりもするし、赤くなった皮膚をかきむしると、重症化してしまうから、そういわれるんだろうけどね。

医学的には、漆かぶれには大していい治療法はない。外用にステロイドを使って、抗ヒスタミン剤を服用するぐらい。

私の場合、そんなことやっても、上記のような状態だった。
で、5月6日現在、右腕、左むこうずね、左足のつけねに、水泡が出ている。
けど、症状が出ているのは限局的。
以前のような全身症状じゃない。
で、発症したのも、触ってから数日後。

あれ?漆かぶれが軽くなってる!
多分、昔に比べて陰虚火旺が改善してきているので、その分よくなってるのかも~と思う。

でも、皮膚症状が出ているので、範囲は以前より狭いものの痒いことに変わりなし。
しかも連休中で病院も休みだし。
自力でどうにかせねば。
ということで、いろいろ考えてみる。

久方ぶりにかぶれた現在、以前と違うのは、中医学の知識がついたこと。
なので、中医学的にどうにかしようとしてみたが・・・
結局、うるしかぶれに使えと出てくる方剤は、消風散とか十味排毒湯とか白虎湯とかの、目下私にとって禁忌の生薬が入っているか、もしくはマックス量使っててこれ以上はどうしようもないものばっかり。

それに、もしこういう方剤を使えたところで、効果は見えてる。
そうそうつらい痒みには直には効かないよ。多分ね(人によるかも??)。

ただ、自分の体と相談すると、確かに、熱証が悪化すると、水疱がさらにテカテカして痒くなってくる。
なので、とりあえず内服としては、知母と石膏を増やすだけはして、熱証をなるべくおさえる。

で、これ以上の内科的どうこうはやめて、外用でなんとかすることに。
紫雲膏がいいかも・・・とは思ったけれど、手元にない。
なので、手元にある抗生物質入りステロイドを使うけど、軟膏を塗ると、なんだか熱がこもったようになって、いやな感じがする。かゆみは多少いいけどね。

では、と、以前ここにも書いた、アルコール浸出栃の実液
http://blogs.yahoo.co.jp/ojirokunn/17959301.html
を、ステロイドと併用(栃の実液つけて乾燥→ステロイド)してみたら。
あら、いい感じ。
熱が取れるし、抗炎症作用もあるし、使うと、水泡の表面にしわがよる上に、水泡の周囲の赤みも取れる。
で、かゆみがおさまる。
おお~

急激な改善はしないけどね。
痒みがなくなるなら、こっちのもんさ。

とりあえず、現在、ピークは過ぎたと思う。広がらなくなったし、かぶれた部分が濃い赤い色に変化してきたし。

本当は、漆かぶれにスギナの絞り汁を試してみたかった!!!
けど、ここは北国。現在早春状態なもんで、ようやくツクシが出てきたところ。スギナの陰も形もない。

ま、またかぶれたら、スギナを試してみよう。。。
(本当に懲りないよな・・)




↑このページのトップヘ