危ない「漢方のお医者さん」との戦いの記録

「専門家」が誰も助けてくれなかったので、独学・自分の体で命をかけて漢方薬の人体実験した記録。書いてあるとおりかなり危ない状況だったので、安易にまねしないでね。

2015年03月

最近、犯罪心理学の本を読んでて、あ、これだ!と思ったこと。

人は、経験をつむと、何の根拠もない独自の理論を展開するようになるもの。
これを、「しろうと理論」(イギリスの社会心理学者ファーンナムが1988年に提唱)という、らしい。

しろうと理論とは

① 人々は自分が独自の理論を持っていることに気づかない
② しろうと理論は自らの経験に基づいた、その人独自の主観的な 「経験の理論」 であること
③ 経験に基づいた理論を一度持った人は、その後、自分の理論に合う経験のみを選び出し、
それ以外は何らかの言い訳を使って無視しようとする。
   不都合な事実は 「例外的なケースだ」 といって、自分の理論の正しさを守ろうする。
④ 極端な二分法を好み、複雑さを嫌う

参考文献:
 内山絢子「面白いほどよく分かる 犯罪心理学」
 細江達郎 「知っておきたい最新犯罪心理学」

(これに対するのが、「くろうと理論」と呼ばれるもの。ここでは割愛。)

物事を単純化した図式に当てはめ、それに当てはまらないもは排除してしまう、って、よくあるよな。
経験則を重視する東洋医学の世界では特に。
かつて、明らかに目の前にある私の状態が、「あるわけない」「うそつき」と排除されたのは、これか!と、すとんと納得。

巷で流布する極端な健康法や俗説も、これだな。
「冷えは万病の元!」とか、「ごぼう茶で長生き!」とか、「漢方は副作用がない!」とか、「お灸は誰にでも合う!」とか。
あと、安易な薬膳本とかもそう。

科学って、反証して反証して、とことん反証して、それでも残ったものが、「これが事実なのかなぁ???」ってことになる。
事実かも、ってことがあとでひっくり返されたりもするけどね。
それでも、反証させるのが科学。
これに明らかに合わないのが、「しろうと理論」。

中医学や日本漢方も、本来は、科学と同様だと思う。


でも、「傷寒論他古典はすべての症例において絶対!」とか「大塚敬節が言ってるから間違いない!」とか、「漢方は絶対!西洋医学はいらない!」とか、極端な宗教的信仰とでも言いたくなるような反証させないような主張って、「しろうとの理論」だったわけか~と。
そういってる人が、いくら、国家資格を持ってたってね。


あと思ったのが。

私の漢方講座は、「難しい」とよく言われる。
講座では、なるべく懇切丁寧に中医学の理論を説明するんだけど、それが、だめな人にはだめみたい。
そんな難しい理論はいらない、単純な答えがほしい!ってことだよな。
言い換えれば、しろうと理論がほしい、ってことだよね、それ。

たとえば、一般の薬膳講座なんかでは、「春の体調不良にこのレシピ~」なんてものすごく単純化したレシピが紹介されたりしてる。
けど、人によってはそれじゃぜんぜん合わないなんてケース、ざらだしさ。
本来そういう「合わない人」への注意・対応をしなきゃいけないと思う。
でも、そうすると、「難しい」って言われるわけ。
「難しい」という人の要望は、お気楽・簡単な一般向けの単純化薬膳講座、ってやつなんだな。

でも私の場合、そういうご要望は受け入れられない。
危ないから。

講座やるなら、分かりやすいように、初歩から講座やるけどさ。
それでも、極端な単純化はできないもん。
人の体って、そんな単純じゃないし。
それに、「しろうと理論」は危険だって、身をもって知ってるから。
他人をそんな危険な目にあわせるなら、最初からやらないほうがいいと思ってるし。

こういうやり取りは普段結構あって、どうすればいいのかと困ってた。
だけど、「しろうと理論」ってやつを、講座をやる前、受付時に一番最初に説明すればいいか~!と思った次第。
「しろうと」って言葉、強烈だもんね。

って、言ってる自分が「しろうと理論」に陥らないようにがんばらなきゃな・・・
ともすると・・・ってやつだし。


数日前のこと。
除雪から帰ってきて居間に入ったところで、突然頭がふらふらして顔真っ青。力が入らなくて、手足が震える。
ぱたんと倒れこんだ。

うわー
馬鹿か私!!!
動きすぎだっ!!
と、そのとき初めて気がつく。
限界超えて動いたことに、外では気づかなかったらしい。

ということで、緊急避難的に西洋人参服用(西洋人参は女性ホルモン系を乱すし、寒性だけど補益剤なので熱証を悪化させるため、あくまでも緊急避難)。
数時間で治ったけど・・・
思いっきり反省。

やっぱまだ安心しちゃだめだな。
まだフルで働こうとか、もってのほかだったな。
ま、これまで何年もの長い経過があって、ようやく改善してきたところなんだから、今無理しちゃだめだな。
もうちょっとリハビリしつつゆっくりしよう・・・
倒れたら、迷惑だもんね。

さて。
現在使用しているのは、石膏・水牛角・牡蠣・地骨皮・ホコウエイ・知母・芍薬・麦門冬・玄参・亀板・地黄・サンリョウ・牡丹皮・麦芽・枳穀・党参・甘草・チョウトウコウ・桂枝。

以前と変わったのは、桂枝を加えたこと。

最近だいぶ陰虚が改善してきたのはいいけれど、ある程度になったら、ぱったりとそれ以上改善しなくなった。
補陰剤服用しても、舌は赤いまんま。
んで、なんか動悸がするようになった。

これは、脈の結滞ってやつね、と考えた。
虚証が長く続いたとき、虚を補すればいいのは、自明の理。
なんだけど、ある程度補ったら、実証が出てくるもの。
だって、足りないなら足りないなりにホメオスタシス保とうとしてたところに、処理できるキャパを超えて補ったんだから、体は混乱する。
症状としては実証が虚証に併発して出てくるわな。
これ、何度も経験してるけど。
そういう場合には、補うと同時に、実証を改善するものを併用する。

ということで、今回は、それが、桂枝だったわけだ。
肉桂と桂枝と迷ったんだけどね。

ただし、本来、桂枝も肉桂も、陰虚には禁忌。
反佐としてほんの少量だけ、補陰剤と併用するわけだ。
もちろん、陰虚のときにこういう禁忌の生薬を使用したら、下手すると陰虚や実熱が悪化するわけで、それをきちんと認識して、対処すべき。
そもそも、陰虚が悪化した場合などに対処できないなら、危険すぎるので反佐なんて使うべきじゃないと思う。

さて。
肉桂は少量使用すると、引火帰原する。
桂枝は、心の気陰両虚時に平衝降逆の作用がある。

どっちかな~と考えたんだけど、皮膚を見ると、なんか血管が浮き出ていて、抹消血管の働きが悪いよ~と言っていた。
ってことは、抹消血管に作用する桂枝のほうか、と考えた。

で、桂枝を、2日分で小口切りを1個だけ入れたら・・・
おお、すげぇぇぇ!!
服用すると、舌の赤みが、すっと消えるわ。

へぇぇぇ。
面白い。

反佐って、怖いけど、効くなぁ・・・

って、もちろん実火・陰虚が強い場合はやっちゃいけないから、ある程度改善してから、きちんと弁証施治して、ってことだけどね。



最近はやってる「マウンティング」という言葉。
ここでいう「マウンティング」とは、動物において個体の優位を示す馬乗りになる行為から転じて、人が相手より上位にいることを誇示する行動一般のことね。
先日この言葉をネット上で見つけて、あぁ、これまでだらだらと説明しなきゃならなかったのを一言で言えるから便利だなぁと。
ただし、野生生物の生態なんかやってる研究者の前では、この言葉を安易に使うと、人によっては正される可能性がなきにしもあらず。
なので、使わないように気をつけてるけどさ。ははっ
でもあえて使いますんでよろしく。


さて。
先日久方ぶりに、そこはかとなく誹謗中傷的香りのする書き込みがあったけど、それに対する自分自身の反応で感じたことがある。
私、体だけじゃなく心もよくなってきたんだなぁ、って。

今回、あの書き込みを見た瞬間は不快だったけど、
「あぁ、そうだ。世間にはこういう風にマウンティングしたい人もいるんだよな・・しょうがないなぁ・・・」
と思いなおしてすぐに別のことに意識を向けた。
そしてそれを知人と笑い話のネタにした。

以前なら、腹を立てて、悶々としたと思う。
笑い話に転化するなんて、とてもじゃないけどできなかった。

これって、許し、ってやつなのかな?
私、結構苦手だったんだけど、許すってことが、できるようになったのかな?と。


これ、精神的にも、健康になってきている証拠だと思う。
中医学的には、疎肝の効果っていうことだろうか。
医学的には、重度の腸の癒着から生じる身体的ストレス改善及び高プロラクチン血症改善による精神安定化・・・とでも言うべきか。

うまく疎肝されてなかった間って、どう考えても、どう努力して自分の精神をコントロールしようとしても、うまくできなかった。
やっぱ今考えても病的な感じ。
すぐにイライラするし、悶々とするし。
精神面だけでのコントロールって、やっぱ、限界があるな。
脳の働きって、やっぱ化学物質に左右されるんだよな・・と、しみじみ感じる。
許し・・ってか心の安定って、精神面だけじゃなくて、体の状態も深くかかわってるんだね・・・。


とはいっても、私には、未だに許せない人がいるんだけどさ。

昨年の話。
私に対してずっと、なにやかにやでマウンティングしてきた人がいた。年下の私のほうが優位な立場(私が指導する方)にいるのが気に障ったのかもしれない。しかも私はあまりお上手がいえないタイプだし。
そんな中、ついに、人前で私のプライベートな体調のこと暴露、批判、「だから駄目なんだ!」なんてことを言われた。理由は、「親心で」らしい。
(明らかに、親心じゃなくて、マウンティングなんだけど。)

その直後、手術を決め、以来顔を合わせてないんだけど、今も私にはその人に対峙する勇気がない。

この事件のとき、すんごく悲しくて、悔しくて、何でこんなことを言われなきゃいけないの、しかも人前で、と思った。
触れてほしくない部分へ土足で進入し踏み荒らしたその人に、もう二度と、そんなことされたくない。

だから、もし次に会っても、これまで同様のポーカーフェイスではいられないだろうな。
多分、今度同じようなことを言われたら(可能性大)、感情的になって、完膚なきまでに言い返す恐れがある。

これって、その人を、許してないってことだよな。


先日のコメントは許せても、あの人は許せてない。
私の精神状態はまだ、その段階ってことだな。

でも、少なくとも、あの時つらくて悲しくて悔しかったと、自分の感情を認められるようになった。
常にとらわれたりもしていない。
体がよくなってきたことで心もよくなってきて、少しだけ、前進したのかな。

心身って、本当に、切り離せないものなんだな、と感じる今日この頃。


ちなみに、私自身、そういうことを人にやってないかと言うと・・・・自信が全くない。
気をつけてはいるけどね。
認識しないでやってることって結構あるかも。
人を批判するのは簡単。
自分がやるのは難しい。
人のフリ見て我がフリなおせ、だな。



ここんとこ、雪かきで疲れ果てて真っ当なお勤め仕事はちょっとまだ無理かなぁ状態。
で、かわりに個人でやるタイプの仕事の根回ししてる。
大雪が降るといろいろ大変なので、雪が解けて暖かくなったらぼつぼつはじめるかな。

とはいっても、臨床に戻るつもりはない。
基本3Kのお仕事なので、それをやるには体力にまだまだ不安があるし、ブランクが長すぎる。
注射器なんて、もう何年持ってないんだか。
打ち方忘れちゃったよ。
年も年だしな。へっ

っつーことで。
この町には私の持つ資格を持った人が他にいない(多分)ので、そういう方面での需要はあるんだけど、上記の理由で今のとこお断りしている。

とりあえず、長年寝込んでる間に、自宅で自分のペースでできる別件の経験をつんで、少しだけ実績もできていたので、目下そっちを売込み中。
こういう方面の人も、この辺ではあまり他にいないし。
それとは別に、漢方・薬膳講座も需要があるし(これまたこの辺では・・・同)、さて、どうすっかなぁ・・・と、思案中。

動けない間は、治る当てもぜんぜんなくて、社会から隔絶されて、自分のやりたかったこともできなくなって、死にたいと思ったこともあった。
けど、それでも、制約があっても可能なことを見つけ出して、スキルを磨こうとしてがんばってた。

そうこうしてるうちに動けるようになってきて、ふと自分の身の回りを見ると、これまで変に頑張っちゃってたこともあって、選択肢が膨大に広がってた。
これに、最近気づいたって訳。(最近、ってとこがアホだな)

これ、うれしいことのはず・・・なのに。

なんか、怖い。
広大な砂漠にぽつんと一人で放り出された気分。

長年わずらってた慢性疾患が改善してくると、不安になる人って、けっこういるらしい。
ずっと牢獄に入ってた囚人が、いきなりぽんっと出所したら、きっとこんななのかな、なんて風にも思う。

この不安と、どう付き合えばいいんだか。
常勤のお仕事するのをやっぱやーめた、ってのも、除雪で疲れたからと自分で言い訳してるけど、「訳分かんない病気で働けない私」という状況から踏み出すのが怖いだけかも、なんて自分で分析してみたりして。
(でも除雪がとても大変なのはホント。腕が腱鞘炎になったし腰も痛い。。。泣)

とはいうものの、まだまだ方剤の服用はやめられないけどね。
半日飲まないと、血虚なんかの症状が出てくるし。
なんか、方剤の調剤・服用が、とらえどころのない不安感のつっかえ棒のような気もする。
(でも、飲まなくていいなら飲まないほうがいいけどね。第一にお金が大変・・・泣)

ま、ゆっくり考えよう。。。



ついでのどーでもいい話。
前回の記事に私のことを「幼稚」と書いていた誰かのコメントを、知人が見つけてしまい。
私の大人気ない対応とともに、なにやら「幼稚」と言う言葉が彼女のツボに入り、ブームになったらしい。
「○○(私の名前)ちゃん、ムキになるなんてまだまだお子ちゃまでちゅね~幼稚でちゅ~!!」
なんて、嬉々として幼児言葉攻撃してくる。
そしてやっぱり幼児の真似してそれに対応する私も私・・・
何やってんだかいい年&いい立場のおばはん同士で。
恥ずかしいから人前でやっちゃだめでちゅよ~
ああ、いかん。。。


ここんとこ、例年にない頻繁に来る暴風雪・大雪のおかげで、毎日毎日ものすごく体力使ってとても疲れてる。
なので、しばらくブログ更新もしてなかった。・・はぁ・・・

体調がだいぶよくなってきたので、そろそろ働いてみよっかなぁ・・・と、思ってたんだけど、目下毎日のこの重労働の除雪と両立する自信が全くなく、とりあえず見送り。
春になったら考えるかな・・・
でも、そのころになったらまたいろいろはじめてるから、フルで雇用されて働く状態にはないだろうな・・とも思う。


さて、私のからだのこと。

目下、去年手術したあとが、肥厚性瘢痕ってかケロイドってか・・・と言う状態になっている。赤く蚯蚓腫れ状態に盛り上がり、表面がてかてか光り、かゆいしひきつれる。
程度はひどくないけどね。

肥厚性瘢痕は、傷の範囲を越えて拡大することはなく、ケロイドはもともとの傷の範囲から大きくなる傾向がある、ってことになってる。
私は、一部ケロイド傾向で多くが肥厚性瘢痕、ってやつじゃなかろうか、と思う。
専門家に見せたわけじゃないから知らんけどさ。
この二つ、明確な区別がはっきりとはつかんらしいしね。

で、明らかに肥厚してなんか大きくなってきていたのが、一回目の手術痕近くの部分で、これ、肥厚性瘢痕とケロイドの中間的なものなのかなぁ?と思うような状態。その他の部分は明らかな肥厚性瘢痕だと思う。

で、このケロイドとか肥厚性瘢痕は、アレルギー体質だったり高血圧だったりするとなりやすい、と言われているみたい。

私自身のことで言うと、実熱が強くなったり血虚・陰虚がつよくなったりすると、傷が盛り上がってテカテカしてくる。

ま、そりゃそうだよな。
基本、肥厚性瘢痕・ケロイドは、基本、アレルギーによる炎症反応だもん。
虚実どっちでも熱証だったらアレルギーが悪化するのは当然。
んで、高血圧の人は、熱証が多いんだから(全部がそうとはかぎらないけどさ)、高血圧の人がケロイドとかになりやすいってのも、よく分かる。

それから、中医学的には、こういった瘢痕は、血瘀の産物とされる。
1回目の手術痕近くの傷の盛り上がりが酷いってのも、手術痕近くだと血が滞りやすいからだろうし。
けど、この血瘀の原因として、物理的な創傷ってだけじゃなく、もともとの体質もかかわってくる。
このもともとの体質によって、血瘀の原因もいろいろある。
私の場合は、血虚・陰虚(ってか精虚)が原因の血瘀なもんで、血虚・陰虚が悪化すれば、当然血瘀も悪化して、傷跡も悪化する、ってことだと思う。

なので、目下、体調のよしあしが、明らかに目に見えるわけだ。
傷跡がてかてか光ったら悪化、しぼんできたら、良好、ってことで。
面白い。

現在、内服の方剤だけでなく、市販の外用薬アットノンとかの、ヘパリン類似物質と併用してる。
そのおかげで、とりあえず、これ以上赤いテカテカは大きくならなくなったし、縮小傾向にあるな。

よかったよかった・・・と言いたいところだけど、大雪になって必死こいて除雪するたびに、またぞろ悪化・・・・
はぁ・・・

早く春にならんかなぁ・・・





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