危ない「漢方のお医者さん」との戦いの記録

「専門家」が誰も助けてくれなかったので、独学・自分の体で命をかけて漢方薬の人体実験した記録。書いてあるとおりかなり危ない状況だったので、安易にまねしないでね。

2014年01月

高血圧にいい漢方薬はない?と人に聞かれた。
なので、前にも書いたような気がするけれど、私の場合の漢方薬を使った高血圧のコントロールについて、再度書いとくよ。


私は、何かきっかけがあると、血圧が上がる。
んで、病院で、「血圧高いですよ!」と怒られてしまう。

寒証だった昔はほんとに低血圧だったけど、熱証に転化してから、血圧が高めになった。
マックスで、上が155mmHgぐらいだったな。
だから、むちゃくちゃ高いわけじゃないけれど、今の日本では治療対象。

んで、血圧が高くなるきっかけは、様々。

肝火上炎(心身どっちかのストレスとか、春の季節の変わり目とか、月経前とか、鉄剤飲んだりとか)だったり、血瘀だったり(月経前に活血化瘀剤を減らしすぎた、長時間車に乗ってた、など)、気滞だったり(心身どっちかにストレスとか、腸気滞が進むような食事を摂ったとか、など)、腎虚だったり(消化管の状態が悪くなったため重い補腎の生薬を減らしたってのが主なパターン)、むくみがひどかったり(長時間車に乗った、飲みすぎ、湿度の非常に多い時期、など)、体表の血管の拡張不足だったり(解表剤、現在は主に菊花の量が足りないのが原因)、脾虚が悪化したり(疲れたり、火が強くて補益剤が十分に使えなかったりなど)、などなど。

あ~、なんかちょっとやっちゃったかも・・・、脈とると異常に強くてはっきりしてるな~、なんか心臓がばくばくして痛いし頭が痛かったりするし~、と、自覚症状が現れると、血圧が高くなっているのが分かる。
原因によって症状は変わるし、しばしば自覚症状がないこともあるけど、最近では「やっちゃった」の原因が大体分かるので、自覚症状がなくても、状況と脈を判断すれば自覚するわけだ。

で。
血圧が高くなってる時に病院に行くと、医師から「減塩して運動しろ!」なんて怒られたり、必要のない降圧剤を出されそうになるから、基本的に行かない。
その都度、原因はどれかな~と自力で診断して、ちょいと生薬とかエキス剤を調整すると、1回か2回か服用で、すぐにちゃんと血圧が正常化するから、西洋薬は必要ない。
運動も、最近大分できるようになってきたしね。
私は恒常的に漢方薬を飲んでるから、数回の服用で寛解するわけじゃなくて、症状が抑えられるって話だけど。
それでも、最近の「あ、やっちゃった」時の最高血圧は、最近では、140ちょいぐらいに低下してきてるし。
私は、ここんとこ飲んでる鉄剤で血圧が上がっちゃってるんだけど、それでもこの数値だから、大分落ち着いてきてるってことだよね。

んで、病院にエキス剤なんかをもらいに行く時は、不必要なトラブル(って言うのも何だな)を避けるために、必ず血圧が正常化してる時に行く。
(なんか本末転倒のような気がするが、ま、いいか。)

でも、これ、私の場合、人間ドックなんかで二次性高血圧じゃないって分かってるから、そして、ちゃんと弁証施治してるから、こんなにすぐに効くのであって、病気の有無も証も何も分からない人から、「高血圧にはどの漢方薬を飲めばいいの?」なんて聞かれたって、すぐに答えられるわけじゃない。
それに、もし適当な漢方薬が見つかったって、投薬しつつ調整が必要だと思う。
(くどいけど、私の場合は法的に、診断・処方は自分及び動物にだけ出来て、他人には出来んけど)


私の例から考えたって、高血圧って、中医学的に考えて、病態が本当に多種多様。
だから、漢方薬で血圧を調整しようと思ったら、ちゃんと腕のいい治療者のもとに通うのと同時に(ったって、どこにそんな人いるんだか知らんけど・・・・・)、本気で自分で勉強しないと、よほど運がよくない限り、漢方薬では調整できないと思うよ。

ということで、腕のある漢方の専門家が見つからないなら、下手に漢方薬に固執するより、病院で西洋薬もらったほうがいいかもよ。
ここで散々書いてきたように、漢方でも、腕のよくない治療者にかかると危ないし。
だって、私のような複雑な証をちゃんと弁証施治できる専門家って、私は知らないんだもん。
で、他の人だって、年をとればとるほど、証が複雑化して難しくなってくるはずだし。

それと。
マクロビなんかを信じ込んじゃってる人が、「病院の薬は体を冷やすから、危ないよ!」なんて、むやみに他人を脅してるみたいだけど、それ、鵜呑みにしないほうがいいと、私は思うよ。
何を信じるかは自分次第だけどさ。
でも、西洋医学の全否定も、どうかと思うよ。
血圧が高いと、体のいろいろなところに命に関わる不具合が置きやすいし。
特に、私を含め多くの人に起こる原因不明の本態性高血圧でなく、何か別の原因があってなってる二次性高血圧だったら、ちゃんと原因を特定して西洋医学的に治療しないとならないかもしれないし。
血圧が上がってる状態を放置した場合と、病院で検査した上で西洋薬を服用した場合の危険性について、ちゃんと利害を考えて、決断してね。

ったって、医学については全くの素人である普通の人には難しいよね・・・
でも、これ以上、私が何ができるだろう?

今の私に言えるのは、このぐらい。
あとは、中医学の論理の基礎を教えられるぐらい。

スミマセン。


マクロビオティックでは、陰陽および、拡散収縮という概念があるらしい。
陰性というのは、体を冷やし拡散させるもの、陽性というのは求心力のある収縮、ということになるらしい。
んで、例えば、カレーは、陰性で拡散する食材、ということになっているらしい。
よー知らんけど。

これ、中医学的に言う陰陽虚実を基にしてるんじゃなかろうか、拡散は瀉、求心は補、ってことじゃなかろうか、なんてことを、考えた。
当初は。

でも、よく読んでみたら、違った。


例えば、カレー。
これ、マクロビでは、陰性、つまり体を冷やし拡散させる食材、ということになっているらしい。

中医学的には、カレーに使われるスパイスは、辛温、つまり、体を温める、寒証の実証に適した食材。
よって、マクロビとは寒熱が正反対。
事実、炎症反応・熱のある場合に、カレーなんか食べたら、イッパツで熱が悪化するんだけど、そういった概念は、見当たらない。

中医学的に考えると、辛温の生薬・食材を不適切に過剰に使用すると、虚証の場合、間接的に体を温める気などまでも減少してしまう。
だから、カレーは「拡散」、つまり実証向けの瀉の食材である、という解釈であれば、その点については異議はない。
よって、「間接的にはカレーは体を冷やす」ともいえないことはない。

けれど、でも、直接的には体を温めるものだよ。
そのことを忘れると人によっては大変危険。
熱があったり炎症があったりする人が、「体を冷やすから」とカレーなんか食べたら、余計に症状がひどくなるって。
(私は倒れたことがあるな)
そういった大事な中間をすっ飛ばして単純化してしまってるのが、マクロビ。
危ないでしょ?

でも、この程度なら、まあ、納得できる。
中間をはしょるのって、えてしてあることだし。(患者からすれば冗談じゃないけれど)

でも、こんな風に納得できる場合ばっかりじゃない

例えば、
『根菜は、求心性、つまり地球の中心に向かって生えている形態だから、陽性。
煮込むという調理法も、ぎゅっと収縮させる作用があるから、陽性。
よって、根菜を煮込んだ料理は陽性であるから、体を温める。
だから、冷え性には根菜の煮物がいい。』

こうなってくると、すでに理解不能。
食材の形態から性質を判断するって、これのどこがどう科学なの?
これって、中世ヨーロッパで占星術と医学が結びついてた時代、星と、薬草の色や効能を結びつけて判断して治療すべき患者に投与してたのと、同じような気がするんだけど。
星占い状態。
(中医学でも、陰陽五行と色の関係が取り入れられてるけど、なんか現実問題としてこじ付け的な場合もあるので、私は、聞き流してる。最近の中医学の本でも、西中融合のおかげで科学的に見てあまりに荒唐無稽と判断されちゃう考えをあんま重視してないような気がするし。)

ついでに言うと、ナトリウム・カリウムに着眼して食物を分類するって・・・
他に要因は山ほどあるのに、こんなに局所だけをクローズアップして単純化して判断材料にしちゃうって、何?
これって、世にはびこっているけれど信憑性の乏しい、血液型で性格を分類する「血液型占い」状態だよな、と思う。

中医学的には、寒性の大根とかゴボウとかレンコンとか何とかをいくら煮込んだって、体を温める性質にはならない。
んで、さらに、根菜類の多くは補益剤じゃないから(ヤマイモとか人参とかなんとかは補益剤だけど)、いくらそういったものを食べたって、虚証に対応できない。
つまり、体を温めるもの自体が足りていない状態(気虚・陽虚)には、対応できないということ。
とういうか、虚証全般に対応するのが難しいんじゃなかろうか。
マクロビのレシピ見てると、どうも、実証・熱証向けだし。
(あ、日本では傷寒論至上主義で、冷えは万病の元!的な考えなので、その反動もあって、熱証向けのレシピがもてはやされてんのかな?)
病気が長引いたり年取ってきたりしたら、自然にみんな虚証あるいは虚実挾雑になってくるけど、そういった場合にどう対応してんの?
体調を悪化させてるんじゃないの?
だから、マクロビって、多くの人に批判されてたりするんじゃないの?


ともかく、そういうことで、マクロビにおける拡散求心と中医学における補瀉(もしくは昇降浮沈など)、あるいは陰陽の概念は、当初考えていたようなイコールではなかったわけだ。
ということで、この辺でもう、私はお手上げ。
勘弁して。
という結論に。


なんか、中医学における陰陽・補瀉などという、本当に基本的な事柄が、勝手に別物に解釈されて、あたかも漢方の考え方のように、大々的に世間に広く流布しちゃってるような気がする。

恐ろしい・・・・


・・・って、ディープな宗教状態のマクロビ関連HPをたくさん読んじゃったせいで、余計にマクロビに対する恐怖心が植えつけられたから、余計そう思うのかも・・・
段々年齢重ねて物事に動じなくなってきたつもりだったんだけど、これは久々に本気で引いたわ。
漢方も狂信的な人もいたりするけど、その比じゃないわ。
こういう考え方が、知らず知らずのうちに身の回りにあふれてたってことが、本気で衝撃。
触らぬ神にたたりなしだな~
(もうすでにここで喧嘩売っちゃった気がするけど)



体をこわして以来、
「玄米食にしないから体調が悪いんだ!」
「ひじきとかホウレンソウをとらないから貧血になるんだ!」
「肉とか魚ばっかり食べるから体が悪くなるんだ。菜食しなさい!」
「根菜は体を温めるから、冷えがあるなら根菜食べなさい!」
「野菜を皮付きで食べないから栄養が偏るんだ!」
「だしのもとを使うから、体のバランスを崩すんだ。ちゃんとだしをとって料理しろ!」」
とかなんとか、いろいろな人から言われた。

でも、そんなことしたって、私の場合、明らかに改善しなかった。
なので、ここで、何度も何度も、反論してきた。

玄米食は脾虚の私を余計に下痢させるだけだったし。
ひじきとかホウレンソウ、あるいは野菜の皮なんて、脾虚なので、食べたって、原型のまま体を素通りして出てきてた。だから、貧血などの治療に何の役にも立たなかったどころか、余計に消化吸収を妨げてた気がするし。
だから肉とか食べないと、鉄の食事からの補給なんかできないし。・・・といっても、食事からだけじゃどうにもならんかったのでサプリが必要だけど。
中医学的には大根、レンコン、ゴボウなんかの根菜類は寒性なので、陽虚が前面に出てたときは、んなもん多食したら、余計に体を冷やしたし。
本当に体調が悪い時は、だしの素を使った料理さえ、作るのがやっとだったのに、んなこといわれてもねぇ。
んで、中医学的というか薬膳的に誤った食事で体調崩したことは多々あるけれど、だしの素を使った直接的な悪影響なんか、私は感じたことないしさ。


でも、それでも、同じようなことを言ってくる人は、未だにたくさんいる。

なんでかなぁ、と思ってたら、ようやく原因に思い当たった。
マクロビオティックの影響だって。
だって、よくよく見たら、冒頭に書いた、玄米食・菜食偏重、根菜は体を温める、だしの素敵視などなどって、マクロビオティックの考え方らしいし。

近年私が薬膳とか漢方の講座をやってると、マクロビを漢方だと混同している人があまりに多くて、驚いてるところ。
ちょこっと上に書いたことからも分かるように、少なくとも中医学とはまったく違うものなのに。
(日本漢方はどうか知らんけど。)

よって、その都度、それは違うよ~、それ、漢方じゃないよ~、それってマクロビオティックじゃない?と説明しなければならない。
なんか段々腹に据えかねてきて、私自身、マクロビを敵視するようになって来た昨今。

でも、よく知らないものを頭から批判するのって、お門違いかも?
もしかして、本当のマクロビオティックって、もっとちゃんとしたものかも?思いなおし、身内が亡くなったので今期はお正月もないことだし、この年末年始、マクロビについての本などを読んでみてた。

結果・・・・やっぱ、かなり危険な考え方だと思ったな。
マクロビオティックって、健康法というより、一種の宗教みたい。

マクロビに関するどっかのHPを読んでたら、「漢方の考え方と科学を取り入れ・・・」みたいなことが書いてあったけど、何をどう解釈すれば「漢方」・「科学」になるのか、私には理解不能。
中医学で使われる、身土不二とか、陰陽とかなんとかの言葉を引っ張ってきているから、一般の人は漢方と混同しちゃうんだろうけど、上にちょっと書いたことだけからも分かるように、内容は異なっている。
んで、科学的って・・・どこが科学なんだか、私には不明。エビデンスはどこ?

「アトピーが治った!だからマクロビって健康にいいんだ!」みたいなことがよく言われるけれど、皮膚の炎症って、基本的に熱証だから、体を冷やすような食事を摂ればある程度改善すんじゃない?(ちゃんと弁証施治しないでほんとに寛解するかどうか知らんけど)。

でも、全部の人にとって健康にいいわけじゃない。

私が思うに、マクロビオティックの直接的・短期的な大きな問題は、陽虚及び脾虚の状態に対応できないこと。
そういった人が、マクロビを盲目的に信奉しちゃうと、余計に健康を悪化させると思う。
冷え性の女性が体を治そうとマクロビを勉強して実践したけど、余計に冷えが治らないどころか体調が悪くなって月経周期なんかもむちゃくちゃになった、なんて話しも聞いたことあるけど、そりゃ、陽虚の人なら、そうなるわな。
私自身の経験から言ってもさ。

んで、間接的・長期的には、栄養が偏ること。
これ、薬膳にも言えると思うけど。
ちゃんと治療しないで薬膳だけでどうにかしようとしてもどうにもならん重い状態の場合、長期に薬膳的な食事を続けてたら、栄養が偏ると思うよ。この辺はまた今度気が向いたら書くけどさ。

ということで、私は、マクロビオティックについては、懐疑的・・・というか、批判的。
宗教の勧誘はお断りしてますので、マクロビオティックを私に薦めないでね。


ここんとこ、どうも、からだが更年期の入り口に入ってきた気がしているので、飲んでいる生薬の組み合わせを、いろいろ見直し中。
んで目下、できれば、桂枝加竜骨牡蠣湯が欲しいんだけど、病院で出されるのは、ツムラのだけ。
で、ツムラの医療用漢方薬では、桂枝を使うべきところを、桂皮、つまり肉桂を使っている。
なので、私には、非常に使いにくい。
さて、どうすんべ。

という話をすると、必ず出てくるのは、肉桂と桂枝は変わらないよ~という、私から見れば、暴論。
多分というか絶対この辺で引っかかってくるので、病院で、「使えないかもしれないけど、ためしに桂枝加竜骨牡蠣湯だしてくれない~??」なんて話を持っていく気力・勇気が出ず、未だに病院にいかずにうろうろしている。


日本では、別種の働きを持つはずの生薬が、しばしば混同されている。
肉桂と桂枝とか、白朮と蒼朮とか、生姜と乾姜とか、杭菊花と野菊花とか、ウコンつまり姜黄と玉金とか、など。

んで、これらは誤りだよ、というと、またそれに反論される。
その反論の内容は、原典が書かれた時点で、こっちの生薬を使ってたからこれでいいんだ、みたいな論旨も多い。

例えば、現在、ウィキペデイアの桂枝湯のとこには、こんな風に書かれてる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E6%9E%9D%E6%B9%AF

『日本漢方では温補腎陽に優れる肉桂(桂皮)を用いることが多いが、誤りではない。李時珍『本草綱目』の(1578?)の『桂』の項に「一名肉桂。又の名桂枝」とある。註に「桂皮が丸まって指状のものを桂枝と言う」とあるので、現在中国で売られる得体の知れない「桂枝」の方が誤り。』

私から見ると、これ書いた人は、投与される生身の患者のことはまるっきり頭にないんだな、患者<<原典なんだな、ってことが分かる。

「原典的に正しい」≠「治療に正しい」
なのに。
重要なことは、患者を治療する目的を達成するために、正しいかどうか、だもの。

これ、今まで何度も書いていることだけれど、漢方薬って・・・というか、他のものでもそうなんだけど、原典が書かれた時点で完成されてるもんじゃないんだよね。その後、いろいろ検証されて、今までその経験が積み重なって、さらに使い方に改良が加えられて来ているもの。(だから私は、原典ばっかり書かれてる漢方関連の本が嫌い)
で、桂枝と肉桂の問題なら、本草綱目が書かれた後に、これら二つの使い方が分かれて、経験を積んだ上で検証され、桂枝湯の方意に沿えば、肉桂ではなく桂枝を使ったほうがよい、と、判断されたわけ。
これ、ちょっと漢方薬の方意を勉強して、生薬学を学んだら、当たり前なはずなのにね。
(あ、日本漢方では、生薬学は発達してないし、原典至上主義的な感じだから、こういう思考にならんのかも・・・???500年近くも前に書かれた古典で、思考が化石化して止まっちゃってる。)


んで、実際自分で生薬を調剤して使うと、陰虚火旺体質で腎にも虚熱のある現在の私、反佐として桂枝は使えても、「温補腎陽」の肉桂は使えない。
肉桂なんか使ったら、あっというまに、熱がこもって、腰がだるく重く熱くなって、舌に赤い点が出て、体調が悪くなる。

・・・って、ああ、そうか。日本漢方って、「万病の元は冷え!」って感じの考えが多いので(傷寒論だもんな)、肉桂の温補腎陽作用が、いつでもどんな証の人にとってもいいことだ、とでも思ってんのかもな・・・コワコワ


しかも、生薬の桂枝は信用できる日本の会社でも売ってて、「中国で売られる得体の知れない生薬」じゃないし。
単に、現在の日本の法律上の問題として、薬局方にはじかれてるだけの話。
私にとっては、桂枝を使うべきところを肉桂を使ってる漢方薬のほうが、得体が知れない。


よって、桂枝湯などに、桂枝の代わりに肉桂を使うのは、少なくとも私にとっては、完全に誤りである、と断定。



長くなったけれども、そういうことで、目下の私、本来の桂枝加竜骨牡蠣湯が欲しいんだけど、現在医療用漢方薬をもらえる病院では、肉桂を使うツムラしか扱ってないから(しかも本来の生姜じゃなく乾姜みたいなやつを使ってるし)、さあ、どうしよう、って感じ。
試しに、ツムラ医療用のを清熱剤なんかと一緒に使ってみて、それでもどうしても駄目だったら、あきらめて、自分で調剤するけどさ・・・
でも、その前段階として、病院で、すんなり納得して出してくれますかどうか・・・・


ちなみに、ウィキペディアって、自分のよく知ってる分野、例えば自然科学分野とかで検索したりすると、間違いも結構多いし。
唖然とする内容も結構あるし。
頭から信じちゃ駄目よ。

私のブログなんかもそうだけどさ。
今見返すと、結構間違ってる。
桂枝を使うところを肉桂を使ってるのはツムラだけかと思ってたら、オースギとか他の会社の商品でも同じだったし。
はは。

本当に知るには、自分でちゃんと調べないとね。
本当に知りたいことは、ネット上には載ってないよ。


今年は、世間で最も一般的理由で、お正月がないままの年末年始。
なんか今、暇だ。

その中で年末に、漢方関連でお世話になったある人から、何度も連絡をいただいたんだけど・・・すみませんが、お返事してません。
だって、私は、それに対応する自信がないから。
怖いから。

何が怖いかって・・・
その人の偏りを増強する気がして。

その人は漢方関連でお世話になった人なんだけど・・・正直、考え方が一面的だって、私は思う。
その人は、よく政治的・医学的なディープな話をされるんだけど、自分が面白いって思ったことだけを補強するような意見・データだけを一方的に取り上げる傾向がある。
でも、私は、彼の説明では、いつも納得できない。
根拠が十分じゃないから。
データを客観的・科学的に解釈してるんじゃないから。

でも、それを本人にはちゃんといえない自分がいる。

本来、科学的見方って、ある種の仮説を立てたら、それに対して、考えうるだけの反証を立てていくものなんだよね。
んで、反証をし尽くして、それでも反証されずに残ったものが、事実なのかも、ってなもので。
何度も言ってるけど、データって、実施された厳しい条件下ではある特定の結果が出たとしても、解釈の仕様によっては、様々な見方ができるものだし。
だから、科学論文って、必ず、反証できるものなんだと思ってるし。

だけど、その人の主張って、反証が見受けられない。
というか、反証するということを知らないのかも。
「これが面白い!これだけの補強するだけのデータがあるから、それは正しい!」みたいな強固さというか。
こちらからすれば、それについていくらでも反証できるんだけど、それを諭す隙がないというか。

科学的なものの見方を勉強してない人には、それでその場は煙に巻けるかもしれないけれど。
でも理解はされないと思うよ。
そして自分で論文書くような人や、書かないまでも論文を読んでるような人、論文を読まないまでも科学的なものの見方をするように心がけている人には、基本的に賛同は得られないよ。
それに、そういった人たちは、一つ一つ反証するには、自分自身が大変な労力をかけなきゃいけないということをよく知っているので、普通の会話の中では、そういう意見については反論しないで聞き流してしまうと思う。
私も含め。
(なぁなぁでやろうとする日本人の悪い癖・・・)

でも、反論されないからその意見が正しい、みたいな認識をもたれると、怖いんだよね。
私の不用意な言葉が、その人の偏見を助長してしまったら、とくに、漢方関連では、もしかして、患者さんの健康や、ひいては命にまでも、悪影響を及ぼしてしまうかもしれないし。

んで。
漢方って、現代科学じゃ証明されてないことが多々あるけれど、でも、「科学的ものの見方が必要」ってことは、一緒。
例えば、患者を診断(弁証)する場合なんか、真っ先に診目星をつけた病名(というか証)だけじゃなくて、そうじゃない場合も考慮に入れて、それを一つ一つ反証していく作業も必要だし。
西洋医学での診断と一緒でさ。
それをやらないと、補正が効かない。
そういった補正できないと、痛い目に合うのは、患者なんだよね。


でも、それを、私は直接その人にきちんと伝える自信がない。
立て板に水、というような言葉の奔流に押されちゃって、反論できなくなるし。
(これもまた、日本人としての悪い癖かも・・・)
んで私は目下、それに直接対峙する体力も気力も持ち合わせていない。


なので、代わりにここで、お返事を書かせてもらいました。
以上のことををきちんと考慮して今後対応していただけるのなら、それで納得していただけるなら、また連絡ください。


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