危ない「漢方のお医者さん」との戦いの記録

「専門家」が誰も助けてくれなかったので、独学・自分の体で命をかけて漢方薬の人体実験した記録。書いてあるとおりかなり危ない状況だったので、安易にまねしないでね。

2013年09月

現在私が使っているのは、桑葉・杭菊花・夏枯草・インチンコウ・チクジョ・山梔子・当帰・乾地黄・麦門冬・麦芽・芍薬・川楝子・牡蠣・蓮肉・板藍根・党参・牛膝・牡丹皮・川玉金・茜草根・桂枝・青蒿・キコク・甘草。
これに、医療用竜胆瀉肝湯ほんの少々。

やっぱり、鉄剤の影響で胃熱などが生じるので、胃の熱を取るチクジョは欠かせない。
これらは、鉄剤とおさらばする日まで、付き合っていかなきゃならない生薬だな。
反面、疏肝などの補助に使ってた薄荷も、胃への刺激が強いことから中止した。
他に加えたのは麦門冬と川玉金、甘草。
清熱が進んできたのでオウバクやオウゴンは中止。
大分肝臓の疎泄作用が向上してきたからか、麦門冬が使えるようになったので、百潤露は中止した。
竜胆瀉肝湯を徐々に減量し、現在は1日量としてエキス剤2/3包程度なので、竜胆瀉肝湯に入っている甘草量が少なくなったので、それとは別個に生薬の甘草が使えるようになった。過剰摂取は怖いからね。
やっぱり、甘草を使うと、各生薬が調和されるというか、なんか、いい感じ。

今は、大分清熱されたので、清熱剤をいかに減量していくかが仮題なんだけれど、それとの兼ね合いで、現在四苦八苦中。
結構強い温性の鉄剤をしばらくとらなければならないけれど、かといって清熱剤を使いすぎると、、手足やお腹が冷えてつらいし、かといって清熱剤を減らしすぎると、今度は胃熱による吐き気とか肝胆の熱でわき腹が痛くなったり顔が黄色っぽくなったり舌の先に赤い点々が出たりするし。
うーむ。微妙だ。

でもう一つの課題が、肺胃(及び心)の補陰。
百潤露より麦門冬のほうが、肺(胃も)陰虚にはずっと効果的ってのは、使ってみて本当によく分かる。
でも、麦門冬はさすが重い生薬。
やっぱり今でも下手すると気血が陥墜する!
百潤露ではそんなことなかったけどさ。
その対策に本当は桂枝を増量したいところだけれど、肺陰虚と清熱と経血量の問題があるので、やっぱり怖い。
しょうがないので、気血をめぐらせる作用があり、ついでにもうちょっと疏肝作用が欲しかったことから、川玉金を加えてみたわけ。
結果、ま、いいでしょう。諸手をあげて、という状態ではないけれど、許容範囲かな、といった感じ。
でも、その量のバランスを誤ると、あっというまに心臓の辺りがなんか苦しくなってくるから、恐ろしい。
ま、コントロールできそうだから、いいか。
で、麦門冬を使うと、活血化瘀剤を使うのがスムースになるし。
心陰虚で長い間活血化瘀剤がうまく使えなかったからね。
とりあえずは、よかったかな。


しかし、私の体は複雑化して重層化してた証が、大分はがれてきて単純化してきたようで、昔のように、漢方薬を1回飲んだだけであっというまに適不適が分かる!という体ではなくなってきた。
服用してからしばらくしてから分かる感じ。
こういうことから考えても、やっぱり、証が複雑で難しい人ほど、漢方薬の効き目が早く現れる傾向があるっての、本当なのね~と思う。

この状況、いいんだけれど、下手こいたと分かった時に、出先だったりすると、すぐに対応できない。
なんか、「漢方薬の配合ははこれでいいんだ~」なんて安心してた時に、「あ、駄目だった!」と分かった時のショックは、安心していた分、大きくなってる気がする。


・・・しかも、最近、漢方薬を飲むのを忘れたりしてる。
漢方薬に頼りきりじゃないと生活できない!!という状況から抜け出した証なので、ある一面ではよいことだと思うけれど、気滞血瘀で腹が痛くなったりしてから飲んでないことに気がついたりするおバカな私。
(癒着などによる手術の後遺症とか筋腫とかなんとかを考えると、多分一生漢方薬は手放せない気がしてるくせに、忘れてしまう・・・いかんいかん)

やっぱ、気を抜いちゃ駄目だな。
自業自得なんだけど。


「自然はすばらしい」とか「自然な暮らししてれば健康!」なんて強固に主張する人が苦手ってのは、前に書いた。
これ、多分、以前から自然関連の活動してたから、なんか「都市伝説的な自然の話」に反論したくなるのを抑えるのに疲れるから、って理由もあるけれど、もうひとつ。
「漢方の専門家」たちにいろいろ「自然な生活しないから不健康なんだ!」なんて変なことを言われてきたから、ってのもあると思う。

例えば、ある漢方の専門家に、「自然の中で暮らしてたのに、なんでこんなに体壊したの?」みたいなこと言われたことがある。
これ、以前にも書いたけれど、「自然に暮らしてれば、健康なはず!」みたいなウソがまかり通っている実例だよな、とも思う。
病気とかって、環境とか精神状態とかの問題だから、病気になるほうが悪い、みたいなさ。
遺伝的素因とかなんとかかんとかの持って生まれた不具合、などについては、彼らにとっては「ないこと」になっている。

また、「病気は自然な生活してれば治る!薬は使うな!」みたいな極論ってさ。
治療しなければ予後の悪い後天的な病気でそのまま放置すれば死んじゃうような人間もいる(かつての私もだったけど)のに。
だけど、その存在、無視してるってこと。
実際問題として、そういう人は、死んだほうがいいって言ってるのと同じなのにさ。
よく平気でそんな残酷なこといえるな、と、いつも思う。


例えば、なんか最近、「古代人ダイエット」みたいなのがあるって聞いたことがある。
よー知らんけどとにかく、昔の人が食べているようなものを食べてれば、健康で居られる!癌にもならない!みたいな話らしい。
けれど、私には一切信じられない。
これを半ば信じてる人から聞いたとき、激怒するのを抑えるのに必死だったね。
なんでこうトンデモ説を信じちゃうかな?
でも、こういうの、「日本の漢方の人々」が信じてるウソと根っこは一緒だと思う。
これがまた怖いけれど。

最近では、世界中様々な地域の、食生活のよかった貴族だけでなく一般の人も含む古代人のミイラを研究して、食生活に関係なく動脈硬化が多いことが分かった、という研究がある。


から引用すると、

「数千年前の古代の人々にとっても、心臓マヒが大きな死亡原因だったのではないかと思います。感染症が急激に減少した前世紀に新たな脅威として動脈硬化症がクローズアップされました。そしてこれは現代社会の脂肪の多い食生活や運動不足のせいだといわれ、原始時代のような生活に戻れば、こんな病気とはおさらばできると、半ば本気で言われ続けてきたのです。」聖ルーク中央アメリカ心臓研究所のトンプソン氏は語る。「でもそうではありませんでした。私たちの今回の発見は、動脈硬化とそれに起因する心臓疾患や脳卒中が、健康的だったはずの古代社会においても普遍的に見られた可能性を示唆しています。少なくとも、動脈硬化に対する我々の理解にはどこか不完全な部分があることは間違いのない事実でしょう」

だってさ。(これこそ中医学的には当然の話だし、得意分野だな。はは)


究極の自然の生活してるのは野生動物だけど、野生動物の解剖なんかやってみると、ちょっと年食ってる動物の臓器って、やっぱり、どっかこっかに異常があるよ。血管に明らかに変性があったりすることもあるし、
野生のヒグマの癌も見たことあるし。
で、実際野生動物って、飼育下の動物より、かなり短命。
捕食者の問題もあるけどさ。

「自然な生活してれば病気にならない」なんて、これらからも分かるように、とんでもないウソだ。

いや、生活習慣病てのは明らかにあるし、生活習慣を正せば健康にいい、ってのはもちろんだけどさ。
でも、だからといって、「生活習慣を正せば病気にならない!/病気が治る」とかって、あきらかに飛躍しすぎだし、アヤシイ。
・・・というか、恐ろしい。


「自然」・・・というか生態系ってさ、存在しようとする動きと、それを淘汰しようとする動きとが、常にせめぎあってる状態なんだよね。
で、それと同様、多くの細胞(細胞も一つ一つが生き物として考えられる)とかなんとかからなる人の体自体も、極論的に言うと生態系といえるかも・・・なので、からだの中も、常にせめぎあってる状態。
せめぎあいに負けちゃえば、種としては絶滅したり、個体レベルなら病気になったり死んだりする。


本来、「自然」というのは、利益になることもあれば、不利益になることもある。
自然のいい面しか見ないって、やっぱり変だし、とても危険なことだと思う。


私の苦手なものの一つが、「自然」なんかを前面に押し出した食品とかハーブとかのお店及びそこの人。
これ前にも書いたかも・・・。
でも、何回も言うぞ。

そういうお店って、大抵、都会とか、都会に近いちょっと田舎っぽいとことかで、「自然素材を使った!」とか「オーガニック」とかなんとかを前面に押し出して商売してるようなとこね。
漢方関連でも、このケがあるとこ結構あるけれど。

そこでいい物を売ってても、売ってるものが欲しくても、私は近寄りがたい。
・・・というか、店に入れないし、通販でもつい回避してしまう。
精神的敷居が高すぎて、無理。
なんかおしつけがましいし、ある意味宗教がかっていたりするし。
(こう書きながら考えるに、「無理!」といいながら、そういや結構そういうとこのぞきに行ってるかも・・怖いもの見たさか・・・???笑)。

だって、そういうところって、「オーガニックだから体にいい!」とか「自然素材だからやさしい!」とかなんとか、科学的にも中医学的にも突っ込みどこ満載の偏った主張が激しい傾向があるから、下手にそういうとこに行くと、ついつっこんじゃって、「そうじゃないのに・・・そんなこと言ってほんとに責任取れるわけ?ねぇ?」なんてことをついつい考えちゃって疲弊するわけ。
天然素材だから体にいいんだったら、トリカブトとかふぐ毒とかもいいって言ってるの? なんて。

でも、本来「自然」って、そんな生易しいものじゃない。
大震災で身に染みた人も多いと思うけどさ。
ちょっと下手すると、命に関わってくる。

前の記事で現在私のいる地域をバラしたからもう言っちゃうけどさ。
山菜取りでちょっと間違うと命を落とすとか、冬にちょっと出ようとすると猛吹雪で数メートル先のものも見えなくて命の危険があるとか、夏にはその辺歩いてると殺傷能力のあるヒグマと遭遇するとか(今年の夏は3回遭ったな。はは)、都会ですぐに処置できれば助かった緊急の患者さんが目の前で亡くなるとか。
自然が多いって、いいとこばっかりじゃない。
反面、そういうものなんだよね。

都会に住んでると、そういう厳しい部分に目を向けないで(というか、都会に居たら厳しい部分を見ないで済むから知らないだけなんだろうけど)、自然のいいところばっかりを拡大解釈しちゃうんだろうな。
でもそれって、やっぱ変だ、って思うのね。


そういや、どっかの研究機関がクマに関して住民のアンケートとったら、都会と地方とでくっきりはっきり意識に隔たりが出たって報告があったな。
自分でもそう実感するけれど。


なので、私としては、都会的「自然はすばらしい!」は、とても苦手。
それに基づいた、食品とかハーブとか漢方薬とか薬膳とかの販売方法も、とても苦手。
私に関係ないとこでやってもらう分には知らんけど、関与は勘弁して~。
・・ということで、スルーさせていただきます。


はじめてネット上に講座の開催のお知らせ↓を掲載します。
ドキドキ


ただし、私は中医師でも医師でもない立場での単発講座ですので、その点ご了承ください。
参考⇒http://blogs.yahoo.co.jp/ojirokunn/30334138.html




医療関係者向け「漢方の基礎の基礎」講座  ~中医学(中国漢方)の基本的な考え方と実際~



中医学に基づき、現在の医療用漢方薬の運用における問題などについて、飲み物片手に気楽な雰囲気の中、お話しします。


対象:医師・薬剤師・看護師・登録販売者・鍼灸師・獣医師・医療用医薬品卸 等 医療関係者
   (学生含む)
定員:10名
日時:2013年11月9日(土曜日)午前10時~12時
参加料:2000円+ワンドリンク代
会場・申し込み先:〒086-1844 北海道目梨郡羅臼町幌萌町627番地 農林体験実習館 電話0153-88-2262
  お電話で、お名前、電話番号(できれば携帯)、資格をお教えください。
申込締切:2013年10月31日




日本の北東の端っこにある世界遺産、知床半島。
その東半分を占める羅臼町の、国後島を望む国道335号線沿いに会場はあります。
http://maps.loco.yahoo.co.jp/maps?lat=43.93292192&lon=145.11516308&ac=01694&az=18.627&z=16&fa=pa&ei=utf8&p=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E7%9B%AE%E6%A2%A8%E9%83%A1%E7%BE%85%E8%87%BC%E7%94%BA%E5%B9%8C%E8%90%8C%E7%94%BA627
地図で示された自然とみどりの村キャンプ場に農業体験実習館(通称ふれあい館)があります。
至極単純な1本道なので間違えようがありません。笑


さて、人は集まるのでしょうか・・・???
場所が場所だけに、厳しいよなぁ・・・
マニアックだし・・・

ここんとこ、鉄欠乏性貧血の治療しつつ生薬をいろいろ調整している。
で。
血液検査で見てみると、活血化瘀剤は鉄欠乏性貧血を悪化させる、ってことが明らかに。
面白い。

これ、考えたら当たり前。
活血化瘀剤は血虚を悪化させるから。

何度も言うけれど、貧血≠血虚。
でも、貧血は血虚の中の一つの症状。
よって、活血化瘀剤は貧血を悪化させる、と言っても間違いじゃないのね。

で私の場合、ちょっと牛膝などを増量すると、あっというまに血清鉄の数値の上昇率が下がったり、もしくは鉄剤を取っているにもかかわらず(月経血などもかなり抑えているにもかかわらず)微妙に低下したり、という現象が見られた。
でも、QOLは明らかにあがっている。


多分私は、長年血虚なので、血管が細くなってたんだと思う。
だって、血の絶対量が足りないんだから、血管を細して血流量を減らせば体の隅々まで細々ながら血を送ることが出来るけれど、まともに血管が拡張してたら血がいきわたらない。
んで体を維持できない。
コレが多分、「血虚による血瘀」というものなんだと理解してる。
おかげで子宮筋腫になったり体のあちこちが痛くなったり、なんてことに長年悩まされてきた。

なのに、まともに血虚の改善をしないで活血化瘀剤を使うと、どんっと血管が広がってしまって、血液がいきわたらない状態に。
それで、活血化瘀剤入りの漢方薬を服用して倒れこんだりしたんだな。
桂枝茯苓丸とか加味逍遥散とか桃核承気湯とかなんとかかんとかに、何度痛い目に合ったことか。


でも最近は、大分補陰補血して血・・というか体液を増加させてきたので、ある程度活血化瘀剤を使っても、昔のように倒たりはしなくなった。
で。
私が活血化瘀剤を増量すると、血管が広がって循環体液量が増えるけれど体内の鉄や赤血球の絶対量は変わらない(というか鉄の摂取量が追いついてない)ので、血液成分が薄まり、見かけ上、鉄欠乏性貧血が改善していないように見える、・・・ということではなかろうか。

多分コレ、西洋医学的には、もっと早いうちに血清フェリチン値なんかを測定してたら「潜在的な貧血」が分かったと思うんだけど、いかんせん、内科も婦人科も、血清フェリチン値まで測定してくれるようなところはとても少ないからね。困ったことに。


なので、血液検査でははかばかしくないのにQOLは改善(体の痛みの軽減、めまいの軽減など)するという不思議な現象が起こってるんだと思う。

なので、血清鉄が増えるまで、これ以上の活血化瘀剤の増量は抑えるべきなんだろうな、ってことも分かったし。

面白いなぁ・・・


↑このページのトップヘ