危ない「漢方のお医者さん」との戦いの記録

「専門家」が誰も助けてくれなかったので、独学・自分の体で命をかけて漢方薬の人体実験した記録。書いてあるとおりかなり危ない状況だったので、安易にまねしないでね。

2012年12月

ここんとこ、動悸がひどくなってきたので、そのコントロールに非常に神経を使ってた。

私の動悸は、今まで様々な要因で起こっていて、水滞とか(茯芩などで改善)、血虚とか(補血剤で改善)、血熱とか(清熱剤で改善)、心の気陰両虚とか(ま、補気剤・補陰剤いろいろで改善)、血瘀とか(牡丹皮などで改善)。
もう、その都度その都度、動悸が起こるたびに、どれかなぁ???と頭を悩ませつつ、特定して、生薬を調整してきた。
もう、ほんと、ちょっとしたさじ加減で動悸が出たりおさまったりするもんだから、まぁ大変。

で、今回、動悸の要因がもう一つあることに気付いた。
末梢血管がうまく開いてない状態で、心臓ばっかり動いてても、結局末梢でうまく血が流れなくて詰まっちゃうので、動悸が起こる、って状態。
ま、これ、構成生薬から考えて、苓桂朮甘湯なんかでは考慮されて使われてる手だとは思うけど。

なにはともあれ他の要因は改善してきているから、今回は、主として末梢血管を開かなきゃいけない動悸だって事に気付き、ここんとこ調整にいそしんでたわけ。

さて、末梢血管を拡張させる代表的な生薬は、温性なら桂枝、涼性なら杭菊花あたり。

で、私の場合、現在、体に熱がかなりこもってるから、桂枝は使ってはいたものの、少量だけだった。
なのでこれを増量。
でも、やっぱり熱があるので、増量するったって、限界がある。
ということで、桂枝の量を抑えるために杭菊花を同時に使用することで、あまり温性に偏り過ぎないようにした。

で、うまく動悸がおさまって来ている。

この動悸の場合、顔色はなんだかちょっとどす黒っぽくて、でも、手なんかは、白っぽい状態。
あ~、末梢血管が開いてないから、いくら活血化瘀剤使って大血管を動かしたって、限度あるよなぁ・・・手の先まで血液行ってないなぁこれ、ってな感じだった。
これ、きちんと末梢血管を開いてやれば、手や顔の色が、ちゃんと良くなっていくのが分かる。

これ、中医学では何なんだ??
よーわからんけど気陰両虚の脈の結滞とかってものなのか?

ま、自分にとって、今はその辺の論理はどーでもいいや。
重要なのは、これで、安心して年越せるな・・・ってこと。



しっかし、私、上記のような状態になったり、月経前で肝に熱があったり、陰虚で妙にのぼせたりしていると、首から下と顔の色が違っていることが良くある。

こういう状態を、他の女性がぱっと見たとき、、
「顔のファンデーションの色と首の色が違う!化粧がド下手っ!!」
と思われてしまう恐れが非常に大きい。
これ、結構恥ずかしい。

実は私も、以前は「顔と首の色が違う=化粧下手」と思ってたけれど・・・自分で経験して初めて分かる。
そりゃ、もちろん、化粧の上手下手云々もあるだろうけれど、体のバランスが崩れてるせいで、そういう状態になることもあるのね・・・・と、実感。
だって、ファンデーションを買うとき、いくらそのときの顔色にあわせたのを買ったって、日ごとに(ひどい時には数時間で)顔色が変わっていくもんで、追いつかないんだもん。
最近は数種類の液体ファンデーションを混ぜたりして、少々調整できるようにしたりはしてるけど、それでも、やっぱり、色が違ってること、よくあるし。

先日、海外のドラマを見てたら、やっぱり首と顔の色の違う女優が出てて、
「いくらなんでもメイクさんにチェックしてもらってるはずだから、それでもこの状態ってことは・・・彼女、どっか悪いんじゃないのかな?」
なんて思ったりした。

・・・・仲間が欲しいだけかも???



本日、生徒さんから題名のようなことを言われ、非常にびっくり。
なんだそりゃ?
私、知らんけど???
その場でゴボウと朝鮮人参の作用の違いをひたすら説明して、帰ってからよくよくネットで調べてみたら、出るわ出るわ。
ゴボウ茶ってのが、今、大流行なわけね。
流行り物についていけない・・・


で、ゴボウには朝鮮人参と同じ成分が含まれ~みたいな記述発見。
あ、だから、「ゴボウと朝鮮人参は同じ働きをする!」みたいに誤解しちゃってる人が多いのかあ・・・
と納得した。


中医学的には、ゴボウは、体から余分なものを排出し、体を冷やす。清熱・通便作用がある。
一方朝鮮人参は、体を補い、体を温める。最も強く気を補う生薬。

つまり、正反対の働き。


ネット上にはゴボウ茶の効能として、整腸作用だの何だのと書いてあったけれど、腸が悪いすべての人にゴボウ茶!なんてことはありえない。
朝鮮人参が必要な場合、たとえば気虚でおなかが冷えて具合が悪い人なんて、ゴボウを利用したら、悪化するよ。私経験済みだしね。
反対に、清熱が必要な人に、朝鮮人参なんか与えたら、いつまでも熱が下がらなくて大変なことになる。
このように、ゴボウ茶は、朝鮮人参の代用品には決してならない。
もちろん体に合ってる人にはいいけどね。



で。
ネット上に載ってた原文の引用らしきものを読んだら、単に、朝鮮人参もゴボウも、サポニンが含まれてる、というだけの話だった。
それがどんどん一人歩きしちゃって、「ゴボウ=朝鮮人参」みたいな極論に行き着いたみたい。
これ、「ゴボウもジギタリス(猛毒)も、サポニンを含みます。よって同じ効能を持ちます。」と主張するのと同じぐらい大雑把な、信用度が限りなく低い話。

うーん。流行り物って怖いわ~と思ったね。


ま、こんな眉唾話なんで、ゴボウ茶の流行も、そのうち廃れるでしょう。


今日私がやった講座、薬膳・漢方関連じゃない、まったく違う講座だったんだけど、なんかこの話で終ってしまった。
つい熱くなっちまったぜ。
いかんいかん。


先日、生薬のさじ加減がびしっと調整できないために元気がなくてうつらうつらしてるとき、ラジオを聴いてたら、「かれんスタイル」という番組で、テーマに漢方をやってたのを発見。
私は(はなからストレスがかかるはずだと分かってたので)聞きたくなかったけれど、家族が(善意で)つけてたので、つい聞いちゃった。

結果、案の定。
漢方スタイリストと称する吉田揚子という人がしゃべってたけれど・・・
自分の精神衛生のために、聞かなきゃよかった~って感じ。

たとえば、彼女は、元気がないときにはカボチャを食べましょう!なんて番組中で言ってた。
でも。
カボチャって、補で温。
だから、実で熱性の人(こういう人、特に中高年でその辺に結構たくさんいるよね。・・・というか現在の私もだし。)が、「元気がないから」とカボチャを食べたら・・・もし実熱がこもったことが原因で元気が無い状態なら・・・カボチャなんか食べたら、あっというまに体調が悪化したりするよ。
いや、冗談じゃなく、陰虚血熱の今の私、カボチャ食べたらあっという間に頭痛くなったりするからね。目下カボチャは厳禁。


よって、案ずるわけよ。
大丈夫なのか漢方スタイリストって資格???って。
彼女が言ってること鵜呑みにしたら、体調が悪化する人いるんじゃない???
と。


彼女は、そういうの、全然考慮してないんだろうなぁ・・・
というか、悪化した人がいても、見ないようにしたりしてるのかなぁ・・・と思ったり。

薬膳関係の講座って、結構うそを言ってることが多い~みたいなことを風のウワサに聞いてたけれど(私は受けたことないけれど)、こういうことをいうのかなぁ・・・と思ったね。


で、そもそも漢方スタイリストってなんぞや・・・?と思って調べてみたら、薬日本堂関連の資格らしいということが判明。

これが判明したところで、やっぱ私は、この関連には近づかないようにしよう、と、改めて決意。
ここの関連店舗には行きたくない、と、以前から思ってたから。
だって、現時点で集まってる情報をモトにすると、多分確実に嫌な思いするから。
・・というか、その情報を基にすると、彼らのいうとおりにしてたら私は確実に体調が悪化するのが目に見えてるから。

たとえば、以前にここで書いたけれど、日本堂漢方ブティックの薬剤師が、北海道コープさっぽろの小冊子で、「漢方では生理の不調は、血液不足や代謝の悪さによる冷えが原因とされます・・・体を温めるねぎやしょうがなど・・・を摂りましょう」
と、トンデモ説を書いてたなぁ・・・と思い出し。

私、生理の不調も冷えもあるけど、生姜なんかとったら、イッパツで悪くなるもん。
陰虚・血熱だからね。
今の私がそんなのやったら、絶対に体調が悪くなって経血量が増えて、そのせいであっという間に気虚も進行するはず。そんなのお断り。
ってことは、あ、うそばっかりなのは、薬膳の講座だけじゃなかったね。漢方薬関係でも一緒か。あはは。
ともかく、薬日本堂の言ってることって、寒証の人の対処ばっかりで、熱証の人にまったく対応できてない感じ。


で。
日本漢方に思いっきり不信感を持ってる私からすると、こういう勉強不足名ままの安易なメディアの利用って、日本漢方に追い討ちをかけてるとしか思えないわけでさ。


かといって、日本漢方じゃなくて中医関係であればどこでもいいかというとそうではないってのも確かで。
中医師の資格もってたって、それだけでは信用できないっての、以前に書いたし。
たとえば医師だって、医大出たてのペーペーになんか受診したくないわけでさ。
ぺーぺーじゃなくても、医大でて年月たってても臨床にいる期間が長くても、腕が悪かったらそんな人信用できないわけで。
それと一緒。腕次第。
でも、西洋医学って、ある程度なんだかんだの制約が設けられてるけれど、漢方って、選択のための情報が少ないのが現状でさ。


やっぱ、腕のいい、視野の広い(というか鑑別のための知識を持ってる)専門家っての、制度的に確立しなきゃだめだなぁ・・と、改めて思ったしだい。



とにもかくにも、やっぱ、こういう番組、視聴するもんじゃないわ・・・
心身に悪いから。


で、そんなこんないろいろ考えてると、どんどん悲しくなる。
やっぱ、こんなのが台頭してるとこを見ると、私の体調をびしっと診れる漢方の専門家って、やっぱいないのか・・・????
なんか、人の話を聞いてると、中国とか韓国とかにはいるような気がするけれど・・・
日本にはどこにいるの????
日本には存在しないのか????

ってね。
いいけどさ。
自分でめいいっぱいどーにかしてみるからさ。

けっ。




私は野生植物マニア・・・ではあるけれど、イネ科植物とかカヤツリグサ科なんて全然分からないという専門家から見れば噴飯モノの、植物学のほんの入り口で立ち止まってるマニア。
けれど、野外に自生する薬となる植物には非常に興味があって、中医学を学ぶ以前から、幾度と無く薬となる植物をテーマに自然観察会をやったりしている。

で、その私から見ると、昨日NHKのBSでやってた番組「魔女が守ったハーブの森へ~工藤夕貴・ドイツ~」は、とても面白かった。
ドイツのハーブの専門家の女性たちが、野外からハーブを摘んできて、調合して治療する過程を紹介する内容。

舞台となるドイツ(というかわりと北のほうのヨーロッパ全般)は、日本の北国と似通った自然環境のため、自生する植物も似ていて、同じ植物もたくさん生えている。なので、番組中で取り上げられてた植物の多くが、私にとってなじみある植物だった。
ドイツのセイヨウオトギリソウはコゴメバオトギリタイプなのね~とか、番組では植物名は出てきていないけれど、彼女が摘んでるのはモウズイカの花じゃなかろうか~もっとカメラが寄ってくれれば分かるのにっ!とか、少々マニアに見ていた。

この番組に出てきたドイツの女性たちは、野外でハーブを採取し、使っていた。
こういう行為、日本ではほとんど廃れてきている。
田舎なんかではちょっと見られたりしするけどさ。


ただしこれ、専門家の指導のもとじゃないと、結構危ない行為だっての、自分の経験からもよく分かってる。
番組中でも、工藤夕貴が、摘んできたハーブをブレンドして「免疫力を高める」目的のスープにしていたけれど、その内容を見てると、やっぱり、突っ込みいれたくなったりして。
「止血作用のあるヨモギとセイヨウノコギリソウをスープに入れるんだ・・・・でも女性って、結構血の滞りがある人が多いから、ちゃんと体の状態を見て使うならともかく、そうじゃない状態で止血剤使うんなら、活血化瘀を考慮に入れないと、血が滞る恐れがあるんじゃないのかなぁ・・・???しかも、このハーブって温性だと思うけど、体の寒熱って考慮しなくていいのかなぁ・・・ あ、寒性のセロリが入ってるからそれで緩和されんのかなぁ・・?」
とか何とかいろいろ思ったり。


でも、こういう風に、ハーブを野外から直接採取してくる、もしくは、採取しないまでも、野外で直接原基植物に触れるという行為は、私自身、非常に重要だと思ってる。
これ、今の日本では、普段の生活から完全に切り離されちゃって、意識の上に上ってこないよね。

でも、それを知らないってのが、生薬の乱用、漢方薬の乱用が起きる原因のひとつだと思えるわけ。
以前にも書いたと思うけれど。
だって、漢方薬だって、そもそも生きている生物から作られてるんだよね(いや、鉱物とかもあるけれどそれはさておき)。
それも、栽培・飼育されてるものばっかりじゃなく、野生生物だって、結構使われてる。
つまり、勉強しないままの適当な漢方薬の処方は、患者に被害を及ぼすと同時に、自然環境の破壊だ、と思ってるわけ。

なのでそういうことも知ってもらいたいので、私は薬膳教室なんかやっても、会場の外に出て、駐車場付近とかでほんの少し自然観察会を抱き合わせてやったりしている。


というわけで。
漢方講座の企画に向けて来年の春からまた動いてみようかと思うけれど、どういう形になるか分からないけれどいずれにしても、自然観察会もくっつけようかと画策中。
(野外活動の保険とかの問題どうしてくれよう・・・)


ところで、ドイツなどで「薬草魔女」と呼ばれるのは、薬草の知識がある女性のこと、と、番組中で紹介されてた。
なので、この定義によると、私は魔女、ということになる。
現在うちには、買った生薬てんこ盛りだし、それだけじゃなくてキハダ(黄柏の原基)の実を野外で採ってきて乾燥させてたりなんだりという、怪しげなものが結構あるし。

ちょっと昔のヨーロッパだったら、魔女狩りで火あぶりの刑だったな・・・・
今の日本に生きててよかった。




清熱剤を減らしたりしたことで、一気に悪化した体調を、目下、必死に建て直し中。

私が現在使っているのは、ツムラ医療用竜胆瀉肝湯、及び、インチンコウ・山梔子・乾地黄・麦芽・芍薬・川楝子・牡蠣・蓮肉・板藍根・旱連草・女貞子・黄柏・黄芩・党参・木通・牛膝・牡丹皮・茜草根・桂枝・青蒿・竜胆・甘草・抗菊花。プラス鉄剤。

中止してた竜胆を再度加え、竜胆瀉肝湯で、微調節。
これに、淡竹葉加えたり、チクジョ加えたりと、ちょっとあれこれやってる状況。

なんか熱は大分よくなっては来たけれど、水の調整がまだ出来ていないのと、竜胆と地黄でお腹が悪くなるので、これ、要注意。
また、これ飲むと心血虚がちょい亢進して動悸がするような気がしないでもないので、活血化瘀剤減らすべきかも。本当は地黄を増やせばいいんだけど、地黄を下手に増やすと熱がこもりやすいし、かといってこれ以上清熱剤増やすとお腹に一気に来るので、活血化瘀剤を減らすほうで様子見かな・・・
止血化瘀清熱の茜草根は今抜けないし、清熱化瘀の牡丹皮抜くと多分癒着したところの血行が悪くなってお腹が痛くなる。
ってことは、牛膝抜いたほうがいいのかなぁ・・・。

でも、とりあえずは、全般的になんとなく回復中。

多分、今温性の鉄剤を飲んでいるので、下手に清熱剤を減らすと、鉄剤の影響で一気に熱がこもっちゃうんだろうな・・・・しかも、多分子供の頃から顔ばっかりにアセモが出来てたことなんか考えて、肝火旺の傾向があったような気がする、なんて要因もあるし。


さて。
今使っている医療用漢方薬の竜胆瀉肝湯は、最近、近所の病院でもらってきた。
鉄剤飲むんだったら、これがないとかなり厳しいので。
本当に鉄剤5mgのタブ1個飲んだだけで血圧あがるわ顔が真っ赤だわ頭痛いわ、ってな状況。
最高血圧が140ぐらいになっちゃってる状況で病院へ行ったら、病院で「高血圧ですよ!」なんて怖い顔でいわれたし。
けれど、「鉄剤の影響ですからっ!!だから竜胆瀉肝湯が必要なんですっ!!!」と言い張って、処方してもらった。
ウチ血圧計はないけれど、症状から考えて、多分下がってきてるはず。性周期とか薬のさじ加減とかで結構変わるから、血圧は常に高くなってない、とは断言できないけれど。

でも、最近、割と楽に薬が手に入るようになった。
ここんところ、病院受診して、「漢方講座の講師やってます。」というと、すんなり漢方薬を出してくれるの。これは、助かるわ・・・
ま、この辺では病院の選択肢が非常に乏しいので、そういう要因もあるけどね。

時々医師が、例のツムラの手帳を出してきて、(「ツムラ医療用漢方製剤」って書いてあるあれね。確かウチにもあったような気がするけれど、全く必要ないのでどっか行っちゃって、何が書いてあるか今全然引っ張ってこれないんだけど、ま、いいか。)
「この漢方薬に関して、ここに書いてある適応症とあなたの言う症状が違うんだけど・・・」
なんて言われたりするけれど、
「ツムラの手帳は、基本的に西洋医学的な症状による漢方薬のチョイスしか書いていません。それに書いてあることと東洋医学的に診断した上での適応症とは合致しません。ですから、ツムラの手帳は使わないようにしましょう、と、普段から講座などで言っています。」
なんて自信を持って答えてます。

で、とりあえず、手元に医療用竜胆瀉肝湯があり、鉄剤の影響を抑えるのに一役買っている状況。


はぁ。なんか、一安心・・・かな。



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